アフターコロナのタイビジネス環境

アフターコロナのタイビジネス環境 ASEAN

こんにちは、てつや(@tetuya_888)です。

本日は足元の『タイビジネス環境』について解説していきます。日本も緊急事態宣言が解除され、海外展開中の企業やこれから海外に展開しようという企業の動きも活発化してきました。

日系企業にとってもタイは今後も展開候補地となる地域ですので現状についてお伝えしますね!

こんな記事も以前記載しましたので合わせてご覧ください。
コロナウィルスを契機に今チャイナプラスワンを考える

中小企業が海外展開を検討する理由

悩めるAくん

・アフターコロナの経済状況

・外国人の入国/トランジット状況

・財政支援策

・企業の対策(税制)

こんな内容を理解できる記事を書きました。

タイの新型コロナ感染状況

タイの新型コロナ感染状況

タイでの新型コロナ感染状況は累計3,129人、死亡者数58人(6/12時点)です。

タイは、

人口:6943万人

世界一の親日国

ASEAN諸国の中でも「先進国」の位置づけ

です。

また、中国人の旅行先として日本と首位を争うほどの人気地で昨年は約1千万人が訪泰しましたが、団体旅行の禁止などで、損失額は最大1千億円とも言われています。

しかし、2003年のSARS以降タイ政府が進めてきた感染症対策と体制強化政策を活かして、スピード感ある対応で感染防止に努めています。

経済状況

タイ中央銀行によると、20年の経済成長率はマイナスを予想しています(3/25発表)

✔20年の成長率見通し▲5.3%

✔2月にタイ国家経済社会開発委員会が公表した「1.5~2.5%」の予想を大幅に下回る悲観的な見通し

タイ工業会議所によると4月中旬の失業者は約700万人で、収束までに1,000万人が失職ともいわれています。

経済・財政対応策

閣議承認された経済対策の内容は以下です(4/8発表)

新型コロナの影響を受けた者(農民含む)への救済:6000億バーツ

経済・社会の復活:4000億バーツ

中小企業への救済(長期低利貸付):5000億バーツ

社会安定基金の創設:4000億バーツ

3/10閣議決定された4000億バーツの景気対策と3/24決定の1170億バーツ(社会保険未加入の商業・娯楽施設従業員に対する5000バーツ/月への支給他)などから更に1.9兆バーツ追加です。

てつや
日本よりスピード感もあり、規模も大きいです

また、タイ中央銀行は2ヵ月連続で政策金利を0.75%に引き下げました。

移動・出入国規制について

移動・出入国規制について

ビジネスでタイへ入国を検討して方も多いですが、現在の状況は以下です。

原則的に外国人の入国・トランジットは禁止されています。

✔外国人の入国は原則禁止

✔ただし、労働許可を有する外国人等は健康証明書(出発の72時間以内発行)の提示で入国可。(トランジットは不可)

✔タイ外務省によると海外から同国への入国者を1日あたり200人以下に制限

労働ビザを取得していても日本からの渡航は便数や現地での動きが不透明です。
よって、リスク管理の観点からも渡航を控えている方が多い状況です。

タイ駐在者の国内移動制限状況は以下です。

✔すべての陸上国境(17県18カ所)を原則閉鎖(物資の輸送のみ許可)

✔22時~4時の夜間外出禁止令が発効

✔外出禁止令の違反者には2年を超えない期間の懲役もしくは4万バーツ以下の罰金またはその両方が課される

となっています。

財政支援策

財政支援策

では、財政支援策についてお伝えしていきます。

法人と個人に分けてお伝えしていきますね!

法人の支援策について

雇用・賃金

最大90日を上限として、1日あたりの賃金の62%を受給することができます。

雇用者が証明する不可抗力により仕事をしていない、または不可抗力により雇用主が仕事をさせず通常の事業が不可能な期間中です。

また、従業員も最大90日を上限として1日あたりの賃金の62%を受給することができます。(~8月31日)

社会保険料拠出金を雇用主は、月額5%から4%、第33条被保険者は5%から1%に引き下げです。
第39条被保険者は、月額432バーツから86バーツに引き下げです。(期間は3月~5月の3ヵ月)

社会保険料納付期限を3ヵ月延長です。

借入

政府貯蓄銀行を通じた低金利融資が実施されています。

タイ中小企業開発銀行(SME bank)の顧客

✔元本返済の一時停止(利払いのみ)

✔直接新型コロナの影響がある企業は返済を最長1年猶予

✔間接的に影響ある企業は返済を最長半年猶予

✔新規融資は最初の2年間年利3%、借入上限は300万バーツ、期間最長7年

税金

法人税や付加価値税(VAT)、特定事業税、石油会社による燃料税、娯楽施設などによる酒類税などの納税期限を延長しています。

新型コロナの防止や検査、治療関連の医薬品や医療器具の輸入税を免除しています。

その他

非上場会社の株主総会と財務諸表の提出は通常期末日から4ヵ月以内に定時株主総会を開催し、財務諸表の承認が必要です。

今年は、新型コロナの感染拡大が要因の場合、定時株主総会の遅延が容認されています。

上場企業においても特定の条件に該当すると監査委員会が判断する場合、財務諸表の提出期限が延長されることとなっています。

このような株主総会の遅延に対応するため、参加者がタイ国外にいてもオンライン通信によって取締役会、株主総会などに参加可能となりました。

個人の支援策について

現金給付

特定の従業員向け1人あたり月5,000バーツを6ヵ月間支給中です。対象者は900万人です。

干ばつ対策として、一定の条件を満たした農民に1軒あたり15000バーツを給付しています。

税金等

✔個人所得税の納付期限を6月→8月に延長

✔健康保険料の免除枠を15000バーツ→25000バーツに拡大

✔医療関係者の新型コロナ対処に関する報酬についての個人所得税免除

✔電気料金の支払計算方法緩和。支払期限を3ヵ月延長

企業の対策等

日系進出企業にとっても重要となる、企業の対応策についてもまとめました。

源泉税率の軽減措置

2020年4月1日から2020年9月30日まで、サービス・請負報酬、コミッション、および専門家報酬の支払に対して課される源泉税率は3%→1.5%に引き下げとなります。

また、2020年10月1日から2021年12月31日までの期間、源泉税の納付をオンラインで行うと税率を2%に引き下げとなります。

中小企業向け借入利息の追加所得控除

政府貯蓄銀行によるローンについては、2020年4月1日から2020年12月31日までの支払利息の150%を課税所得から控除することができます。

その要件は以下です。

・年間売上が5億バーツ以下

・総従業員が200人以下

・帳簿管理を適切に行っている

VAT還付の早期化

優良輸出事業者の承認を受けているVAT登録事業者は、通常より早くVATの還付金受取が可能となっています。

オンライン申請の場合通常30日以内→15日以内

ハードコピー申請の場合通常60日以内→45日以内

さいごに

さいごに

いかがでしたでしたか?

現在は新型コロナの影響でヒトやモノが自由に移動もできず、復旧にはまだ時間がかかりそう。

ただ、日系企業にとってもタイは距離的にも近いアジアビジネスの要所ですので、今後の支援策についても要チェックですね。

というわけで、今回は以上にします。いつもありがとうございます。

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