【コロナウィルス/中国進出企業向け】関連施策について

コロナ中国企業関連施策 中国関連

新型コロナウイルスの震源地の中国で、上海市や広東省など主要地域の企業の操業が再開し、10日で1カ月が経過しました。
2020年2月、過去最低となったPMIの下落を受け、主力産業の復旧を急ぎたい中国政府の意向もあり、全体のうち再開した割合を示す再開率は多くの業種で8割前後に達しています。

中国景況感悪化
2020/2/29 日本経済新聞より

在中日系企業においても人員の関係でフル操業ではないものの、順次華東や華南エリアなどを皮切りに再開しているとはいえ、例年に比べ売上や利益は大きく下落しているのが実情でしょう。

中国政府は、新型コロナウィルス感染による企業の経営環境悪化に対し、複数の企業支援策や意見を発表しています。

本日は、中国における国家施策を社会保険料・公共料金・税優遇・雇用関係の4つの観点からご紹介します。

中国では施策が打ち出されるスピードが早く、内容も日本の補助金制度などに比べると企業にとっては助かるものであるといえますので、是非確認してください。

ただ、施策の運用については、各地の省市・区レベルの通知を参照する必要がありますのでご留意ください。

社会保険料の減免に関して

      内容     対象  期間
養老保険・労災保険・失業保険企業負担分の保険料を全額免除(湖北省以外の)中小企業2020/2~
最大5ヵ月
企業負担分の保険料を1/2 (湖北省以外の)大企業 2020/2~
最大3ヵ月
企業負担分の保険料を全額免除    湖北省企業 2020/2~
最大5ヵ月
     医療保険企業負担分の保険料を 1/2     全企業 2020/2~
最大5ヵ月
    住宅積立金     納付猶予     全企業~2020/6/30

参考
国務院 社会保険料の減免
人力資源社会保障部 財政部 税務総局 企業社会保険料の段階的減免に関する通知
・住宅と都市建設部 財政部 人民銀行 新型コロナウィルス肺炎流行への適切対応と段階的住宅積立金支援
 政策に関する通知
・国家医保局 財政部 税務総局 従業員基本医療保険費の段階的引き下げの指導意見

中国における中小企業とは

中小企業区分基準に関する規定の通知(工信部聯企業[2011]300号)によると中国における中小企業とは以下を指しています。

業種従業員数売上高資産
製造業1,000人以下4億元以下
卸売業200人以下4億元以下
小売業300人以下2億元以下
倉庫業200人以下3億元以下
サービス業300人以下12億元以下

上記いずれかに該当すれば中小企業として、養老・労災・失業保険の企業負担分は全額免除となり得ます。

公共料金の減免

内容対象期間
電気料金通常料金より5%減額エネルギー多消費型産業を除く企業 2020/2~6
ガス料金冬価格と夏価格への改定時期の繰上げ全企業

参考
・企業用電気代を段階的に引き下げ企業の操業再開を支援することに関する通知
・非住民天然ガス代を段階的に引き下げ企業の操業再開を支援することに関する通知

税優遇政策

        内容     対象期間
本年度欠損の繰越期間延長通常5年の繰越喫損金を8年に延長輸送、飲食、旅館旅行業に属する企業
支給医薬物品の個人所得税免除従業員へ支給するマスク等の現物資産は個人所得税を免除全企業 2020/1~
小規模納税人増値税率軽減・3%徴収率の課税販売収入を1%に
 引き下げ
・3%予定納税徴収率項目を暫時1%に
 引き下げ
湖北省以外の小規模納税人 2020/3~5
・3%徴収率の課税販売収入を免除
・3%予定納税徴収率項目を暫時徴収なし
湖北省の小規模納税人 2020/3~5

参考
・国家税務総局公告2020年第4号、第8号、第9号、第10号、第13号
・財政部 税務総局 個人事業者操業再開増値税政策の公告

雇用関係についての意見(人力社会保障部)

  1. 従業員が期日に出勤できない、企業の生産活動が困難な場合在宅勤務による業務遂行、有給休暇や企業の福利休暇を優先する
  2. 政府の基準に従った隔離措置で出勤ができない従業員に対してその隔離期間中に労働契約解除や非派遣労働者の雇い止めをしてはいけない
  3. 特別な隔離義務が課されていないが出勤を拒否する従業員に対して労働組合も協力して、会社の感染予防対策を説明の上、出勤を勧告する。
    それにも従わない場合は労働法の関連規定に基づく雇用関係解除の措置を進める。
  4. 企業財務状況等悪化時の対応
    安定的な労働関係の維持を模索することが最優先であるが、妥当な対応を経ても人員削減が必要な場合には、法に従い雇用関係を整理し、企業の正常な生産経営環境を維持することを支持する
  5. 復職が遅れる従業員に対する給与取扱い
    未出勤期間に対して、各種休暇を消化しても通常の職務に当たることが出来ない場合、従業員と協議の上、一度目の給与支払期間内に労働契約に規定された基準の給与を支払う
    一度目の給与支払期間を超える場合は、関連規定に基づく生活費を支払う
  6. 生産経営が困難な企業の対応
    従業員との協議、および民主的な手続を経て、双方が同意の上で報酬額調整、交代勤務による休暇取得、勤務時間の短縮等の方法で、安定的な職場維持に向けた措置を講じる
  7. 春節休暇延長期間の出勤
    企業は優先的に代休を手配しなければならず、代休を与えることが出来ない場合には、法に従った残業手当を支払う必要がある

参考
・人力資源と社会保障部 全国総工会 中国企業連合会/全国企業家協会/全国工商聯
・新型コロナウィルス感染肺炎流行予防抑制期間において労働関係を安定化させ企業の操業再開を支援することに関する意見

さすがに共産圏ぽく労働者への配慮と、企業運営を行う上で必要なリストラは止む無しのスタンスが垣間見えるのではないでしょうか。
上記意見は2月7日に発表されていますので、日本よりよっぽど課題に対する方向性の提示が速いと言えますね。

まとめ

  • 大きな柱として国家施策が早々に打ち出されている
  • 国家施策に伴って各省市が関連通知、意見を発表していることから実際の運用については各エリアへお問い合わせを
  • ご相談については現地、日本の会計士にご相談を

今日はここまでにします。いつもありがとうございます。

グーペ