こんにちは、てつやです。
日本の中小企業は全企業数の99.7%であり、まさに企業活動の屋台骨であることは間違いありません。
そのあたりのことは、「中小企業が海外展開を検討する理由」を参考いただければ。
経済が持続的に発展するためには中小企業が元気になればいいということはわかります。
中小企業庁なども国内事業者に対して様々な税制優遇などを講じているところです
一方、中小企業の海外進出については、課題も認識されています。
企業の撤退などを招いてしまったり、そもそも課題をクリアにできることができずに進出自体を見合わせてしまうケースがあります。
では、その課題とは何なのか?ということを本日は記載していきます!!
海外進出とは大きくわけて、直接貿易(輸出入)と、直接投資による現地法人(または駐在員事務所)運営の二つがあります。実際現地に出てオペレーションが発生する後者と前者では課題についても違いがあります。
直接貿易(輸出入)における課題
仕入先、販売先の確保
輸入を検討する際、現地の製造業、卸売業との取引については、(製造)原価引き下げを狙った取引先の開拓が課題となります。その際、どの国の誰と取引を始めるのか、どのような契約条件で取引を行うかなど、当初の目的が達成するかは綿密な計画が必要になります。
同様に輸出を検討する際については、取引先の開拓についてはもちろん、日本での商品を販売するにあたり、どの国に何を販売するのかという市場調査が課題となります。
その上で、誰に販売するのか、仕入同様どういった契約条件で販売するのかといった計画が必要となります。
為替変動リスク
ある商品を海外に(から)輸出入する際、円で決済できる契約であれば特段の為替変動リスクは自社には発生しません(取引先にて為替変動リスクを取ってもらえるため)。
しかしながら、通常の契約条件では決済について、世界的に信用度が高く、流通量の多い、米ドルや、ユーロ、もしくは取引先国の通貨となるケースが多くなります。
そういった時、日々変動する為替変動によって、当初想定した利益を享受できない可能性があることを理解しておかねばなりません。
輸入企業にとっては、1ドル100円で輸入して国内で10円の利益が得られるとすると、為替が円安になり110円になってしまうことで、利益は0円になってしまいます。
輸出企業にとっては、1ドル100円で輸出して10円の利益が得られるとすると、為替が円高に進行し90円になると、利益が0円になってしまいます。
直接投資による現地法人(駐在員事務所含む)運営における課題
現地人材の確保、マネジメント
現地に拠点を持つ企業にとっての最大の課題は現地の人材の確保とマネジメントです。
日本における中小企業の人材不足についても喫緊の課題となる中、現地組織に派遣できる人材がそもそもいるのでしょうか?
適任者がいたとしても現地の文化、慣習、言語などに精通し、適切なオペレーションを担える人材がいるのでしょうか?
その国独特の法制度や、商慣習などを理解した人材であれば現地の人間が最適である一方、言葉の壁もありますし、日本本社として今後適切なコミュニケーションが図れなくなることもリスクとなるだけに、非常に大きな課題となります。
人材確保の観点から言うと、進出国によっては日系企業の多いアジア各国においても人件費が高騰しており、ワーカーレベルでも採用してもすぐ隣の工場に行ってしまうなど、安定確保が難しくなっています。
マネージャー層だとその他国の外資系企業に比べて条件が低すぎるなどの理由で、欲しい人材に見向きもされないケースもあります。
法制度、各種規制の理解
進出地の数だけ日本とは違う法制度や各種規制があります。
進出前にある程度理解していると思いますが、いざ実務を行うと全く意図せぬ行動を行わないといけないケースも出てくるでしょう。
中国ではありがちですが、細かなルールが定められていない国では実務者同士で物事が進んでいたものの、別の担当者に変わった途端、全くその話が無かったことになっていたりというのは良くあることです。
そういった商習慣が、不正の温床になっていたりすることも多く、いつその責任が本社に飛び火してくるとも限りません。
資金確保
上記のような様々な課題もあり、突発的な問題も発生し得るのが、海外進出です。
十分な計画を練っていたとしても、計画通りに進まなかったり、不測の事態が発生することにより、現地における突発的な資金の確保が必要になるケースも多々発生します。
事業計画の段階から資金の計画にも余裕をもっておかなければならないです。
まとめ
中小企業の海外進出にはたくさんの課題があります。
つまり、
- 綿密な事業計画の策定
- その国の法制度、商習慣の理解
- 人材の確保、マネジメント
に加えて、結局はどれだけその投資に資金を投入できるか=本気度が非常に大切です!
海外進出に際しては、社内のリソースが限られているということであれば、自社でできる部分以外は外部の専門家に任せることをオススメします。
今日はここまでにします。いつもありがとうございます。
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